倦怠

倦怠は、
わたしをある種の恍惚感に誘う
誰にでもある倦怠
どの時代の誰にでも訪れる倦怠

否定的に響く言葉の裏には蠱惑的な甘美さがある

倦み疲れた足を引きずり
落人はそれでも語る
彼が倦怠に陥ったいきさつを

どうしてそうなってしまったかと問われ、
ただ、「わからない」としか言わない落人

彼はただ「わからない」と陳述し、
もはや言い訳をしようとすらしない

おそらく落人は倦怠の中に浸っていたいのだ
落人であることは、ある種の地位、ある種の特権階級、
落人は倦怠という王位に即位していた

落人は「わからない」とは言うが
「知らない」とは決して言わなかった

彼が倦怠に陥ったことを
隠そうとはしなかった
また、無実であるとも、主張しなかった

「わからない」
「わからない」
それだけしか言わない落人
周囲の人は、ただ彼に耳を傾けていた

投稿者: リュッツォ(Ryuzzo)

1969年生まれの男性。子供の頃から言葉に敏感で小学校低学年で文章能力を自覚しました。高校生の時には作文の懸賞で大画面テレビを(^_^;) 94年に白井俊介という筆名で薔薇族デビュー。4作品掲載。99年タテイシユウスケでBadiデビュー。5作品掲載。タテイシユウスケ名義で第9回バディ小説大賞特別賞受賞。00年代にWebサイト『調香室』に移行。2008年までサイトで執筆活動していました。その後しばらく執筆活動から離れていました。ペンネームを2018年にリュッツォに刷新し、金澤詩人賞に応募したところ、賞の候補として選ばれ詩人デビューしました。現在、様々な創作活動をしているおじさんです。瀬戸内の濃厚な遺伝子と北陸の農民のハイブリッド。 犬と植物が好きなおじさんです。G-MENには投稿したことがないのですが、どちらかというとジーメン系でぼちぼちサムソン系(^_^;) 中のおじさんは温厚な性格の坊主頭のおじさんですが、創作物はなぜか暗めのドリーミングな感じになってしまう💧

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